10GHzへの道のり


5.6GHzには、マキ電機さんのトランスバーターの改造機でQRVしている。
様々な改造を5.6GHzで行った手応えもあり、10GHzの手作りにチャレンジしようと思い立った。
現在は局発の製作中で、まだまだ道のりは遠い。

IFは430MHzとし、435MHz + 9805MHz = 10240MHz という構成とした。


● 局発の製作 ●


【ローレベルまでの周波数構成  61.28125MHz × 2 × 2 = 245.125MHz 】

   
マキさんでいただいた局発基盤を利用して、まずローレベルまでテスト
2SC1906 + 2SC2407 の 2石構成


20dbATTを入れてこの程度です。少し期待はずれかな。


【 ハイレベルまでの周波数構成  245.125MHz × 4 × 2 × 5 = 9805MHz 】


ジャンクキャビティを再生、ベタコンや貫通コンを取り付け。
マキ電機の20dbアンプ基盤を2カ所に取り付けるため小さな穴を開ける。


マキ電機の基盤を取り付け後、段間の共振棒、その間の配線をおこなう。
ここは、980.5MHzの段階。右側の共振棒で【980.5×2=1961MHz】を取り出す。
その手前に、三菱のMGF1302を取り付けてある。


キャビティ内完成。最終段は同じくMGF1302を利用。ここで【1961MHz×5=9805MHz】を取り出す。
右側空間で、この後空洞共振器を構成し、同調させる


ローレベルの基盤と合体。段々らしくなってきました。


総合的な配線を施し、調整に。キャビティ左側から目的周波数を取り出します。
空洞共振器の様子が分かると思います。


調整中の様子です。Gigast Ver5を活用しています。

 

とりあえず、お目当ての9805MHzが取り出せましたが、少しレベルが低いようです。
UTV-5600の局発5325MHzのレベルも計ってみましたが、-12db程度でした。
トランスバーター基盤の方でアンプすることも視野に入れたいと思います。
(上の測定画像には、ATTは入れておりません)

【H23.1.4作成】


【槇岡さんにノウハウをいただき、再挑戦】


平成23年5月におこなわれた、山口マイクロ波ミーティングで、槇岡さんに色々ノウハウを教えていただいた。
『980MHzの共振棒に並列Cとして入れた【2pF】が小さいので【3pF】にしてはどうか』というもので、おおいに納得した。
1.2GHzで使用している共振棒は、1150MHz付近では【2pF】を並列Cを加えて、上手く共振できていた。
980MHzなので、「おそらくいけるだろうと」過信していた点があったのだ。
【2pF】では、なんとなくピークが取れるような取れないような微妙な状況であった。
このノウハウをお聞きして、早速【3pF】に取り替えて実験してみました。


【980MHzの途中にリンクコイルを付け測定中】


【980MHz調整中の様子 長さの異なる真鍮ビスを多数用意している】

結果は、グングンと伸びて、すべての段階でピークに追い込むことができた。
「過信は禁物」ですね。つくづくと思いました。


【上記の写真のようにリンクコイルで980MHzを拾って測定】

その後、キャビティにフタをして最終段の9805MHzまで追い込んでみました。
次の画面で、比較し見てください。
マウスを画面上にスクロールすると画面が切り替わります。

スパンが違いますので、少し違和感がありますが、約6db位改善されたことが分かります。



【9805MHzでの改善の様子】
マウスを画面上に移動してみてください

こうしてできあがったのが、次の写真です。
もう少し、980.5 x 2 = 1961MHz を追求してみたいと思います。



【H23.8.30 追記】


久しぶりに10GHzの局発をいじってみました。
キャビティの【本体 vs ふた】間の隙間を銅板で埋めたら、スムーズにパワーが出るようになりました。
現在、ようやく【0.6mW】です。
10GHzの方結(10db)で、Gigastとパワー計に同時に接続して調整してみました。
またまた気まぐれですが、続けて実験の予定です。

 
【概ね、0.6mW を確認】


【やっと、ここまで追い込みました】


そう言えば、周波数測定をしていなかったことを思い出しました。
-2dbm位の出力でしたので、カウンターに直接入力してみました。
当たり前と言えば、それまでなのですが、ちゃんと【9805.00・・】と表示されました。
ちょっと嬉しかったかも。。
これから、トランスバーター本体の製作に取りかかります。

【H23.12.19追記】