ジャンクUTV-2400Eの復活

〜 880円で入手した部品取りジャンクの復活なるか 〜


事の始まり

オークションにて「部品取りUTV-2400E」を「880円」で入手しました。
どうもIFは1200MHzのようですが、送信用キャビティは取り外されており、その他のパーツも所々とりはずされているようなジャンクでした。
幸いケースは美品でしたので10GHz用に活用することにして、基板の方は2.4GHzで復活させようと考えました。

IFは430MHzとして、既存のハンディ機を活用しようと思います。


入手時点での画像
送信キャビティと送信アンプは取り外されている
(画像にマウスを移動させると、別角度からの画像がみられます)


IFは、1200MHzのようです


まずは状況確認からスタート・・・

まず、基板をとりはずして状況の確認をしてみました。
ざっと見たところ、受信部キャビティ内の局発てい倍段が取り外されています。
また、1200MHzIFのため、IF送受切り替えリレーが別基板になっています。


基板上のIF切り換えリレーはありませんので、別基板から移植予定


受信キャビティ拡大
初段は、2SK569が付いていました
局発部は1200MHz-IFのため、おそらく1140MHzをアンプしているのでしょう
ここは、2SC3358がついています
復活にあたり、430MHz-IFにしたいので、ここはいじる必要がありそうです


局発の構成

局発は、以前430MHzIFで自作するため特注してあった水晶(41.4584MHz)を活用するため、マキ電機標準のてい倍数を変更してみました。

 ●マキ電機・・49.750 X 2 X 2 X 10 = 1990MHz
 ●JF2AIA・・・41.4584 X 2 X 3 X 8 = 1990MHz


キャビティ部の細工から始めます

基板から受信部キャビティを取り外し、局発部を分解し組み直します。
また送信部の方は、以前ジャンクで入手してあったキャビティをヤスリで整形し、共振棒を固定し一から製作。
2SC2367/2SC3603/2SC3604などで構成し、ファイナルは2SC3603パラ(マキ電機で良くやられていた方法)とし、100mW以上の出力を目指します。
併せて、基板上の微修正(リレー移植等)も行います

  
左の写真・・・上が受信部(局発部は分解済)、下が送信部(貫通コンのみ取り付け)
右の写真・・・リレー、ローレベル局発定数を修正した基板


何とか修復完了!

3日間で何とか修復できましたが、これからがさらに楽しい調整が待っています。


修復終了後の様子
これから楽しい調整です


局発の調整

局発の方は、変更した「てい倍段」も上手くいき、かなり強力な1990MHzを確認。


局発1990MHzの様子
キャビティに、粗結合しての状況ですが、かなり強力です


受信部の調整

受信部については、RF-AMP段は以前のままなので特に問題なくSGの信号が受かりました。


受信部調整の様子
コムジェネレータにATTを挿入、SG代わりに使用


送信部の調整

送信部については、試行錯誤の結果300mW程度のパワーを絞り出すことに成功。
終段は「2SC3603パラ(マキ電機でよくやられていた方法)」としています。


調整中の様子
20dbの方結を用い、パワー計とGigastに入力しています


30dbのATTを入れたときの様子です (≒ 25dbm位 ≒300mW)


こちらでも300mW位振れています


送信部のノウハウ

ここで送信部のノウハウをお知らせしましょう


手前側が終段です
ここでは、2SC3604をパラにして実験中
何度も付けたり外したりしているので、キャビティの色が黒くなっています


奥側が終段です
ベースにトリマーの代わりに小さな銅片をスズメッキ線で取り付けています
キャビティとの間隔を調整することで、パワーを絞り出します
(短絡防止に紙片を挟んでいます)
この方法は大変有効で、驚くほど改善されます


セラミックパッケージのトランジスターを並べてみました
(左)2SC2367 (中)2SC3603パラ (右)2SC3604


430MHz-IFのトランスバーターとして復活しましたので、上手く小さなケースにセットして、お手軽な実験に活用したいと考えています。
880円で、結構楽しめたジャンクでした。

この度の実験で、あらためて局発のノウハウが得られたので、懸案の10GHz局発を再度いじってみようと思います。


【ケースに入れてみました】
H23.12.18追加

マキ電機のひまわりコンバータが入手出来たので、このケースを流用することを考えた。
中身の基板は同じタイプのモノが利用されていて、送受切換リレーを上手く納めることができれば、全体を収容出来そうだ。
ついでにRF出力メーターを追加できそうなスペースもあり、ヤスリで穴開け加工を施した。

リレー等の損失があるためか、120mW出力となった。



【H23.12.18追加】