お手軽PLLシンセサイザー・モジュール 【ぴるる】

〜 なんと 137.5MHz〜4400MHz を連続出力 〜



2009山口ハムの集いで、JA4TBV足立さん・JH6VAX松尾さん お二方から、このモジュールの存在を教えていただきました。
製品によっては、4480MHzも出力出来るらしいとのことで、マイクロのローカルオシレーターとしての活用も含め、非常に興味を持ちました。

京都の(有)電子研 が開発・販売しています。
早速WEB上から注文しました。
モデルは4つあり、信号純度と液晶表示器の有無によって選択できます。
私は局発としての利用や、液晶表示器の手持ちがあったため 【04モデル】 を選択しました。

以下、カタログから転記します。
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特長
137.5MHz〜4400MHzを最小100Hzまたは最小10kHzステップでカバー。(2200MHz未満は分周波)
ADI社のLSI(ADF4350)を使用。VC-TCXOも搭載。(高安定周波数、調整可)
付属ロータリー・エンコーダで快適操作。(バンド境界を意識不要のシームレス)
10チャンネル・メモリー。(各チャンネルの周波数と桁位置、出力レベルを記憶)
優れた低位相ノイズ/ジッタ特性。(高調波はありますが、外部LPFでカット可能)
出力レベルは5段階。(ADF4350仕様の4段階とMute)(注:シングル出力は差動出力の-3dB)
ロックまたはアンロック表示あり。(LEDまたは液晶にて表示)
バックライト付き液晶表示器(SC1602互換)とぴったりのコンパクトサイズ。
シンプル設計。(制御にはPIC16F690-I/Pを使用、ソケット付き)
そのまま組み込み用途にも。(液晶表示器を外しても動作に支障ありません)
金属ケースに組み付けるなら、簡易信号発生器の出来上がり。
各種の実験に、また、ADF4350の評価用としても安価。
オン・ボードの操作用押しボタン・スイッチ(5個)はコネクタ:CN1から引き出せます。
エンコーダを外しても、オン・ボードのスイッチだけで操作出来ます。

仕様
型式: PLL350N(_01, _02, _03, _04)
動作環境: 23±10℃、20〜80%Rh
電源: DC5V±5%、約0.2A(USBケーブルまたはコネクタ:CN1から供給)
重量: 本体約70g(液晶表示器含む)
外形寸法: 本体約100W×30H×25D mm(SMAジャックの突起部を除く)
取付けネジ: 液晶表面側のみM3×4箇所、深さ4mm(ほかはM2.6)
出力ポート: 50Ω、SMAジャック×2個、差動出力対応( Aポート±のみ、Bポートなし)
基本波出力周波数: 2200.0000MHz〜4400.0000MHz(100Hzまたは10kHz〜1GHzステップ)
分周波出力周波数: 137.5000MHz〜2199.9999MHz(100Hzまたは10kHz〜1GHzステップ)
基準周波数: 20MHz(内蔵、微調整トリマ付き)、±1ppm/年max.(@25±3℃)
コネクタ(CN1): 基板側=B7B-XH-A、ハウジング=XHP-7(日圧)
付属エンコーダ: EC16B相当品(24パルス/回転)
付属電源ケーブル: USB A-ミニB、長さ1.5m(USB_I/Fチップ&ファームウェアは未実装)
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早速、周波数カウンター ・ GigaSt5等を用いて、使い心地を試してみました。

        

2つのポートから、GigaSt5 と 周波数カウンター に接続しました


GigaSt 5の画面を紹介しましょう


4480MHz +5dbm (+2dbm)


4480MHz −40dbm (−43dbm)


LOCKする上限は、この付近でした


4538MHz −4dbm


LOCKがはずれた状態です

出力レベルは5段階となっており、次のように切り替えが出来るようになっています。(ADF4350仕様の4段階とMute)

        +5dbm / +2dbm / −1dbm / −4dbm / Mute (実際には −40dbm程度出ている)

注意すべきことは、表示値が差動出力の公称値なので、シングル出力では【−3db】とすべき点である。
上記の測定画面では、−3dbを加味した表示としている。

GigaSt5にはATTなしで、周波数カウンターには念のため6dbのATTを入れました。
この画面を見る限りでは、0dbm程度は出力されているようなので、局発としては何とか利用できそうに思えました。

Muteでは、−40dbm程度の出力があり、これに60db程度のATTを入れれば、受信機の調整用のSGとしても利用できそうです。

時間を見つけて、ケースに入れてみたいと思っています。

まずは、簡単なレポートでした。。



【参考】  発売元  (有)電子研 http://web.kyoto-inet.or.jp/people/kadoh/denshiken/


【追加実験】

2880MHzの第2高調波である「5760MHz」を、SSBモードで受信してみました。
トランスバーターの局発もPLLでロックさせています。(ただし12.8MHz TCXO基準)
信号レベルは、Mute(−40dbm)でも強力に受信できます。
ぴるるのSMAコネクタに、5.6GHzのGPもどきを取り付けています。


2880MHz×2=5760MHz 発信中


それで、受信してみたところ、きれいなシングルトーン、かつ充分な安定度であることが確認できました。
受信音をアップしておきます。

また、2427MHzにおいても同様に受信してみました。
2.4GHzのトランスバーターの局発は、PLLロックをかけていませんが、きれいなトーンで復調できています
この受信音もアップしておきます。

(H21.10.3)